あらためて知る「燃料電池」~私にもできるカーボンニュートラルへの貢献(前編)
水素は、CO2を排出しない次世代のエネルギーとして期待されています。水素が広く活用される「水素社会」を構築するカギのひとつとなるのが、水素を使って電気や熱をつくることができるシステム「燃料電池」です。今回は、身近にある燃料電池としてすっかりおなじみとなった「エネファーム」などの定置用燃料電池を事例に、燃料電池が電気や熱をつくるしくみをあらためてご紹介するとともに、燃料電池が「カーボンニュートラル」にどのように貢献できるのかを見ていきましょう。
「燃料電池」って何?
「燃料電池」とはそもそも何なのでしょうか?あらためておさらいしてみましょう。
「電池」というと、“電気をためている装置”というイメージがあるかと思いますが、燃料電池は、それらとは大きく違うものです。
燃料となるのは、水素と酸素です。みなさんも、理科の実験で、水に電気を流すことで水素と酸素に分解する「電気分解」を学んだことがあると思いますが、燃料電池はその逆で、水素と酸素を化学反応させて水をつくり、この過程で発生する電気や熱を使います。つまり、“小さな発電所”とも言えます。